βカゼインたんぱく検査について

日本A2ミルク協会が牛乳に含まれる
βカゼイン「たんぱく」の検査にこだわる理由

~牛乳のDNA検査はA1βカゼインたんぱくを正確に測定できていません~

世界で初めてA1β―カゼインたんぱくの高感度検出を開発

牛乳を飲むと下痢などの胃の不快感持つ人がいる。
その原因として、牛乳にあるタンパクが原因の一つとされている。
牛乳中に含まれるたんぱく質の約80%はカゼインタンパクである。
さらにカゼインタンパクの約30%はβ―カゼインであり、これには、A1とA2、2つのタンパクが存在する。
A1タイプは、飲むと下痢などの胃の不快感の原因となる。
日本では、A1だけ、A2だけ、A1/A2両方のミルクを出す3種類の牛が存在する。
酪農界では、消化不良を起こしくいA2ミルクのみを製品化することで、牛乳の地位向上の取り組みが増えている。

私たちは、東京農業大学と共同で、A1β―カゼイン特異的なモノクローナル抗体を作製し、A1β―カゼインタンパクを高感度で検出する技術を開発に成功した(サンドイッチELISA法:詳細はYOUTUBE〇〇参照)。
この成果は、2022年9月「A1カゼイン検出法」として、特許出願を行った。
さらに特許出願後、特許のデータの追加を行って特許を強化し、2023年9月、国際特許(PCT)出願を行った。

「DNA」ではなく、「たんぱく」の検査にこだわる理由

最近、牛乳に含まれるDNA検査はどうか、という質問を受ける。
まず、牛乳に含まれるDNA検査を簡単に解説すると、牛乳の中にはその牛由来の細胞やDNAがごく少量含まれている。
よって、そのごく少量のDNAをPCR法によって増幅し、βカゼイン遺伝子の違いを調べてA1かA2を判断する。
確かにその検査では、その牛の「個体」が、A1だけ、A2だけ、A1/A2両方、の3つのどれかを確認するには適している。

しかし「DNA」はごく少量の細胞由来の遺伝子を検出しているのみであり、DNA検査ではA1タンパクの含有量を正確に測定することは不可能である。
一方、私たちが開発したサンドイッチELISA法は、A1β―カゼインタンパクの含有量を正確に定量できる唯一の方法である。

そもそも考えてみてほしいのは、牛乳に含まれているのは主に「たんぱく」であり「DNA」などはほとんど含まれていない。
販売されている牛乳はそれぞれの乳牛から集めたもので、その品質を保証するために個体レベルにしか使えないDNA検査は不適であると考える。
日本A2ミルク協会としては、牛乳中に含まれるA1βカゼイン「たんぱく」を定期的に検査することによって、酪農家には自分たちの牛乳の安全性の確認が可能になり、また消費者には安心して商品を手に取ってもらえると確信している。

文責 重井医学研究所 部長 松山 誠

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