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代表理事より A2ミルク協会認定 A2ミルク商品の状況について

全国的にA2ミルク関連商品を扱う販売店様を見かける機会が増えて来ました。
A2ミルクの認知が広がり、また一般の消費者の皆様をはじめ、マスコミからの取材も徐々に増えてきた事は、A2ミルクの浸透がすこしずつ広がっていることであり、喜ばしく思っております。なかには、「これらの商品はA2ミルク協会が認めたものなのか?」という問い合わせもいくつかいただいております。
そこで、A2ミルク商品と協会の現状について、改めて代表理事に話を伺いました。

○A2ミルク協会が確認している商品について(2022年9月現在)

22年9月の時点では、まだ検査基準が確立されていないため「日本A2ミルク協会が認定したA2ミルク商品」は流通していません。
検査基準は2023年3月までに確立する計画で進めており、認定商品の流通開始はどんなに早くてもそれ以降になります。

日本A2ミルク協会が考える検査基準の要件は2つ。
・牛のDNA検査
・生乳のタンパク質検査
を科学的根拠に基づき確実に実施する事です。

牛のDNA検査に関しては、研究協力体制を組んでいる「東京農業大学」にて検査方法が国内初で確立いたしました。さらに海外技術の利用も含めると、当協会細野理事が代表を務める「株式会社エリートジェノミクス」様や、各授精所、精液販売店様を通して、牛個体の遺伝子検査について可能になっております。
既にこの個体の遺伝子検査を行いA2牛群管理の運用を開始している牧場もあり、A2ミルクの生産に向けて準備を始めています。

一方、生乳のタンパク質検査は、現在国内に検査機関がなく、海外の検査機関に頼るほかありませんでした。協会といたしましては、国内で信頼性の高い検査を、迅速に手軽に実施できることがA2ミルク普及の観点から必須と考えており、研究機関、協力大学などの学術コンサルも受けながら、より信頼性の高い基準と検査体制を作れるよう努力しておりますが、その確立までにしばらくの時間が必要です。

「A2ミルク」を冠した商品を取り扱う事業所に関しては、協会会員企業様も含め、現時点で全国に7社ある事を全国の会員様や一般消費者からの情報で確認しています。
しかし個人経営の牧場様が6次産業化などでA2ミルクの商品展開した場合などは、把握が難しい状況もあると考えております。

それらのA2ミルク関連商品が「本当にA2ミルクなのか?」と尋ねられても、現時点では「日本A2ミルク協会として、まだその判断基準が無いので回答できない」と言わざるを得ないのが現状です。

○日本A2ミルク協会の活動について

協会立ち上げから2年経ち、キースウッドフォード教授の勉強会や、最先端の情報・論文の整理を行って来ました。
まだまだ課題はありますが、A2ミルクへの理解が深まり、まずはひと段落したと言えます。

その中で見えて来た課題の一つが「A1カゼインの混入問題」です。
海外での事例で、A2ミルクと称した商品の中に既存のA1カゼインが混入していたという事例があり、問題になっております。

牛の遺伝子を検査し、A2牛群のみで生乳を生産すれば理論上はA2ミルクを生産できます。
しかし、農場における個体の管理の間違いや、加工・流通過程での混入の問題なども考慮するとダブルチェックは欠かせないと考えております。

A2ミルクが全国的に話題になり、A2ミルク商品を心待ちにされている消費者の皆様の声が、我々A2ミルク協会に届く事は非常に嬉しいことです。
しかし、情報やブランドが一人歩きして不完全な商品が市場に流通する事は防がなければいけません。
協会としては、この点を非常に危惧しており、消費者保護の観点から信頼性をより高めるために、認証基準の設定には、慎重に慎重を重ねて進めて行きたいと考えています。

○商品化に向けての動きについて

認証基準の確立は23年3月を目処に動いていますが、多少の前後は考えられます。
順調に運用が始まれば早くて23年夏頃には、認証された商品の流通が一部見込めますが、研究の進捗や、検査体制の確立など、時期についてはさらにお時間を必要とすることもあります。ただ、拙速に動くことで、検査基準を緩めてしまうことはないようにしていきたいと考えております。日本A2ミルク協会として商品を販売するわけではなく、あくまでも日本におけるA2ミルクの基準を作る立場という事をご理解いただきたいです。

現実的には認証制度の確立後、まずは地域を限定したテストマーケティングから始まり、順次、全国展開をしていく流れになる見込みです。

○最後に〜これからの酪農業界の希望〜

A2ミルクはこれからますます厳しくなる酪農業界の希望だと考えています。

体質に合わないため、好きだけど従来の牛乳が飲めなかったという方や、
健康や栄養面で牛乳を飲みたいけれど、不安もあり積極的に牛乳に手が出なかった方など、今まで牛乳を飲めなかった方にも安心して飲んでいただける、新たな選択肢になる牛乳だと自負しています。

牛乳の国内需要が増え、付加価値ができれば、酪農業全体の利益にも貢献でき、さらには日本社会全体の健康にも貢献できます。
これらの活動の基礎とするため、今後は日本初となるキースウッドフォード教授著の日本語版の専門書の出版をはじめ、啓蒙活動の促進やテストマーケティングのサポートなどの役割を担っていきます。

引き続き、A2ミルク協会は「正しい情報を正しく伝え、オールジャパンで取り組む」活動を続けていきます。

一般社団法人日本A2ミルク協会
代表理事 藤井雄一郎

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